シニア世代の結婚式を手掛ける理由

 

なぜ、わたしが大人の結婚式、中高年の結婚式に注力するのかをお伝えしたいと思います。

 

10年前の事。

私はある千葉県内の会場で司会者として仕事をしていた時、今年70歳になる結婚3回目の新婦と、66歳になる結婚2回目の新郎と出会いました。

 

最初は、いい年して結婚式だなんて、わざわざ招待してまで披露宴を行うものなの?と半ばあきれた感じでお受けしました。

そのお二人が招待状を送ったら、案の定、会場にはお問い合わせが殺到してしまいました。

「冗談だろう」

「本気なのですか?」

「2人は真面目にやるつもりですか?」

 

しまいには、お二人の親族からもクレ-ムが・・・。

中止にしてしうぞとまで言われてしまいました。

 

それを聞いて、披露宴当日は誰も来ないのではないかとスタッフが不安にもなってしまいました。

会場側はそのために最善のバックアップ体制を整えました。受けたからにはしっかりと行いたいという思いがあったからです。

それだけ不安があったのは否めませんでした。

 

しかし、お二人はなんのその。平然と準備を整えていたそうです。

お二人が平然としていても、私たちの立場としては初めてのケース。不安と期待と、いろいろな想いが混ざったまま当日を迎えてしまいました。

 

披露宴当日の朝、最終のお二人との打ち合わせの事。それまでご本人たちの真の想いを伺っていませんでした。

私からは何も質問をしなかったのにかかわらず、新郎から私へ、突然話し始めた想いは、真剣に愛し合い、お互い大切な人だから披露宴を挙げたいという言葉でした。

 

これを聞いて、私が間違っている事に気がつきました。それと同時に私たちの対応はきっとお二人に不安を与えたのではないかと大いなる反省をしました。

そして、お二人は披露宴当日まで出席者に丁寧に連絡をして、準備を重ねていました。それだけ真剣に考えていて、お披露目をするのは当然のことと考えていたのです。

 

新郎が私に言った一言は忘れられません。

「私が側にいなければいけないのです。それだけ大切な人なのです」

私の顏をまっすぐに見る新郎の眼差しは、輝いていました。

 

頼もしく、しかもかっこいい。だから披露宴を行うのだと言う事も私に言いました。

 

これほどまで真剣に一介の司会者に言う新郎は、今でもお会いしたことがありません。

「いい披露宴にする!」その気持ちでいっぱいになりました。

 

そして披露宴は、想像以上にいい形になりました。

披露宴の中では、出席されているお客様お一人お一人からコメントをいただきました。皆さんが心からお祝いのお気持ちを持って出席されていたことに、感動しました。

そして、思い込みだけで判断をした私は、ただただ恥ずかしいの一言。

 

結婚式は、若い人たちだけのものではない。これが人間らしい、本当の姿なのだと思った瞬間でした。

 

特別に何をしたという披露宴ではありませんでしたが、お二人を囲み、ゆっくりとお食事を楽しむ時間になりました。お開き後に、お二人にとっても喜んでいただけたのが何よりうれしかったです。

 

それは予想を超えて、私の心にとどまりました。いつかこれが、高齢でも結婚式を挙げることが、普通の姿であればいいなと思いました。

 

当たり前に結婚式を行う。年齢も再婚も何もかも関係なく。お二人が挙げたいというお気持ちさえあれば。

そして普通に招待され、普通に出席する。それが当たり前だと思えるようにしたい。

ずっと温めていた想いです。